右の青い服を着た猫が「チャピ」です。この猫は、器量良しでしたが、写真写りがとても悪く、きちんと眼を開けている写真がほとんど無いのです。写そうとすると眼をそらすのです。左の猫は「ぴょん」です。
出会い
合志市の弁天ユーパレスの敷地内で行われた犬猫譲渡会に行きました。前のチャピが天に召されて一月ほど経った6月18日です。たくさんの子犬、子猫たちが、新しい家族を待っています。5匹の子猫きょうだいが目につきました。話を伺うと、女の子が4匹で、末っ子だけが男の子だそうです。ミー、前のチャピと女の子でしたし、女の子のほうが、おとなしくて、世話が楽だと思っていたので、今回も女の子にするつもりでした。ところが、末っ子の男の子が、とても可愛い。この子に決めました。
懐いてくれない
「うーん、神経質みたい」
家に連れて帰っての感想です。慣れるまで大きいケージに入れていたんですけど、いつ見ても起きています。ケージから出しても部屋の片隅に隠れてしまいます。トイレも部屋の片隅とかソファーの下とかにしてしまいます。私たちに懐く気配もありません。
今まで(2022年現在)8匹の猫たちと接してきました。その中で、唯一、我が家を気に入ってくれなかったのが、このチャピです。
原因を私なりに考えてました。ミー、ぴょん、、ゴローニャ、ランの4匹は彼らの方から我が家にやって来ました。前のチャピは、最後に残った子猫でしたので、たぶん、自分も新しい家族の所に行かなければならないと感じていたと思います。ロックは、痩せ細って、自分で立ち上がれないほどの状態だったところを保護しました。それ以来、私にベッタリです。チョロは、地域の福猫会で保護された後、我が家が引き取りました。つまり、みんな不幸な生い立ちで我が家にきたのです。
一方、チャピは、猫好きな人間、やさしい母親猫や姉さん猫たちと幸せに暮らしていたと思います。そのような状況の中、私たちが一方的に彼を我が家に連れてきたのです。たぶん、私たちを憎んでいたのではないでしょうか。それで私たちに懐いてくれなかったんだと思います。平成29年(2017年)から外に出るようになり、二軒隣の家の玄関先で暮らすようになりました。
不器用なチャピ
チャピはいろんな意味で不器用でした。
まず、写真写りが悪い。動物病院の先生が「この子は、器量よし」と言ってくださるほど美形なのに、写真は、目をつぶるか、目をそらすかしていて、まともに写っているものが少ないのです。ほかの猫たちは、きれいに写っています。特に ゴローニャは、カメラをにらみつけるように目がくっきり開いています。
家具の上を歩くときも、ゆっくり歩いているのに、尻尾で物を落とします。そして、後ろを振り向きます。テレビで、猫が小さな置物を器用に避けて歩いているのを見たのと、全く違います。
お客様が来られても、全く興味を示しません。嫌がりもしませんし、なつきもしません。全く無表情にお客様の前を素通りします。
外に出ると、虫にさされて、顔が汚くなります。動物病院の先生にお聴きしました。
「なぜ、他の猫たちは汚くならないのに、この子だけ汚なくなるんですか」
「たまにこんな猫がいます。冬になると蚊等もいなくなるので、治るでしょう」
確かに、冬になるときれいになりました。損な体質です。
食べ物に興味がありませんでした。他の猫たちは、おいしい食べ物を取りたがるのに、チャピは、ドライフードだけで満足な様子でした。
チャピとぴょん
チャピが来てから、9ヶ月後にぴょんが来ました。その後、5年間くらい男の子2匹の生活でしたが、2匹の仲は良好でした。この後、ロック、チョロ、ゴローニャと我が家に来ますが、代々、先住猫はやさしいです。後から来る猫の方が生活態度が強いくらいです。
チャピとぴょんが追いかけっこをしています。ぴょんが逃げています。チャピが追いかけています。ぴょんが椅子の上に逃げます。今度は、ぴょんが追いかけます。チャピが逃げます。再び、私の目の前に2匹が現れたときは、ぴょんが逃げています。まるで、「トムとジェリー」状態です。「仲良くケンカしな」状態です。
別れ
平成29年(2017年)頃から、外に出たがるようになりました。夜中、「ニャン、ニャーン」と泣き続けます。 「ニャン、ニャーン」 の「ニャーン」が音が高くなります。独特の鳴き声でした。最初の頃は、家と屋外を行き来していましたが、だんだんと家に帰らなくなってしまいました。どこにいるのかと、探してみると、二軒隣のお宅にいることがわかりました。「前のチャピ」が遊びに行っていた家です。
そのお宅では、玄関先にカゴを置いて、冬は毛布を敷いてありました。我が家にも当時ゴローニャが庭にいましたので、それなりの小屋を作っていたのですが、我が家には寄りつかなくなってしまいました。そのお宅の人にダッコされているのを見ると、ほっとしましたが、複雑な気持ちでした
令和元年(2019年)12月、チャピが病気で弱っていました。動物病院で診てもらい、1週間の入院後、我が家で養生させました。1ヶ月間は、おとなしく私のベッドで過ごしましたが、やはり、我が家から出ていきました。
令和3年(2021年)4月12日、入院3日後、天に召されました。病院推薦のペット葬儀屋さん「蓮華乃郷」で荼毘に付しました。
15年の付き合いだったね。あんまり、幸せにしてあげれなくて、ごめんね、「チャピ」。
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